So-net無料ブログ作成
検索選択

本の部分の英語名称メモ Names of Parts of a Book [φ(..)メモメモ]

直前の記事「ジーン・ウェブスターの父親による『ハックルベリー・フィンの冒険』の出版 The Publication of _Adventures of Huckleberry Finn_ by Charles L. Webster」で、表紙のことを「カヴァー」と書いて、待てよ、日本語でカバーというと表紙ではなくてジャケットだな、と書き改めました。かねて、古書の記述を読んだりして興味をおぼえるところありましたので、なかば自分のメモとして書き留めておこうと思います。

  日本の本、ならびに日本語の名称については、大阪府立中之島図書館の「「本」の部分の名称」というページ <http://www.library.pref.osaka.jp/nakato/osaka/book_bui.html#orikaeshi> がたいへんわかりやすく有益だと何年も前から思っておりました。まことに勝手ながら、そこと自主的コラボして英語の名称を記します。

bookbui1.gifbookbui2.gif
images via 大阪府立中之島図書館「「本」の部分の名称」<http://www.library.pref.osaka.jp/nakato/osaka/book_bui.html#orikaeshi>

  なんとなく、手近にあった古い洋書を撮影してみました。――

Patty-cover.jpg

  まず、この赤い全面は cover です。日本語で「カバー」と呼ぶ、本を覆う紙は dust jacket あるいは wrapper です(dust cover ということはありますけど、基本 cover は表紙です)。cover を分けると、おもて表紙は front cover、うら表紙は back cover、そして背(表紙)は・・・・・・spine というのがふつうみたいw。spine というのは背骨です。これは、本の本体(front matter――= title page(s) (タイトルページ)と Table of Contents (目次)と list of illustrations (図版一覧)と Preface (序)や Foreword (前書き)と Dedication (献辞)と Acknowledgement (謝辞)と Frontispiece(口絵)などからなる――を除いた本文)を "body" と呼ぶこととかかわるような気がします。backbone とも呼ばれます。

  先走って front matter を並べてしまってわかりにくくなったので、そのへんも自家製画像で説明します。――

Patty-frontispiece&title.jpg

  左が frontispiece (口絵)です。もちろん口絵のない本もあります。
  右が狭義の title page です。広義の title page(s) は、このページの裏側の、コピーライトなどの情報を記したページも含めた場合です。本の書名(When Patty Went to College)、著者名( [By] Jean Webster) 、+この本の場合挿絵画家名(With Illustrations / by C. D. Williams)、出版社の都市名(New York)、出版社名(The Century Co.)、出版年(1903)が書かれています。

  つづいて、タイトルページの裏のコピーライトのページ(下の見開きの左側)――

Patty-copyright.jpg

  見にくいですけど、左側は次のように印刷されています。――

     Copyright, 1903, by
      THE CENTURY Co.
 Copyright, 1901, 1902, by TRUTH Co.
            _________

      Published March, 1903

   コピーライトが二種類あるのは、ジーン・ウェブスターのこの短編集が、過去に刊行した作品を含んでいるからです。そして、スペースがあって、下に、

       THE DEVINNE PRESS

   これは、出版社ではなくて、印刷所の情報です。要するに、日本の本の「奥付」に相当する情報が、ここで与えられています。初版初刷でない場合に、第何刷か(Number of printings)が書かれるのもここです。現在のアメリカの本だと、ISBN や Library of Congress number も書かれるはずです。

  右側のページは献辞 (Dedication) です(もちろんない場合もあります)。

  先に先に進むと、つぎのつぎのページは目次 (Contents)――

Patty-contents.jpg

  目次は最初の短篇 "Peters the Susceptible" に第1ページの番号をふっています。しかし、この目次の次の紙(leaf) は図版のリスト (List of Illustrations) が書かれていて、それは目次には載っていません。

Patty-listofillustrations.jpg

  この右側のページをめくると本文が始まります。

  さて、ここでちょっと前に戻って、中之島図書館の図の10~12番の箇所をみてみます。明確な説明が必要でしょうから、文章も引用します。――

10.見返し(みかえし)

 狭義には、表表紙(おもてびょうし)の裏側をいいます。一般的には表表紙・裏表紙の内側に貼り付けて、本の中身と表紙をつなぎ合わせている「見返し紙」のことです。表紙と本の中身を張りつける「力紙」(ちからがみ)と、「遊び紙(遊び)」があります。

11.扉(とびら)

 見返しの次にあり、書名、著者名、発行所名などを記してある部分。2ページにわったて[わたって]いるものを「見開き扉」といいます。上質紙を用いて本文と区別しているものもあります。

12.標題紙(ひょうだいし)

 本文の前にあってタイトルなどが書いてある紙。洋書では、表[ママ]題紙に書誌データの重要な部分を記してありますが、日本では多くが「奥付」に記載しています。
 ちなみに、標題紙に書かれている標題を「標題紙標題」といいます。

  まず、「見返し」に相当する英語はなんというかというと、ピタッと1語のことばはどうやら存在せず、おもて表紙の見返しは "the reverse of the front cover" あるいは "the inside of the front cover"、うら表紙の見返しは "the reverse [inside] of the back cover" という説明的な呼び方しか、少なくとも一般的には、ないみたいです。 endpaper (あるいは endsheet あるいは endleaf)でよいと思います。見返しのうちで表紙のうちがわに張った紙(日本では「力紙」とか「効き紙」とよぶ)は pastedown ということばがあります。「遊び紙」(表紙の裏側というか内側に貼られないほうの紙)は flyleaf です。pastedown があるのはペーパーバック paperback or softcover ではなくてハードカヴァー hardcover (この「カヴァー」が「表紙」です)の本の場合です。

  ついでながら leaf というのは、「葉っぱ」ですけれど、ページの裏表をもつ紙の一葉です。現代の、とくにペーパーバックの本は、なんども開いたり閉じたりしていると糊だけでくっつけてあるためにバラバラになってしまうことがままありますが、昔の本は印刷した全紙を四つに折ったり八つに折ったりして糸で綴じて、それをひとつの集まりとして重ねていってつくりましたから、leaf が1枚の紙ということはほぼ考えられません――裁断してあれば1枚の紙は 2 leaves, 4 pagesになるし、古い本で、ペーパーナイフで開いていくような本だと紙は折られた状態で綴じられているわけです。で、そういう、見かけ上何枚ものleaf をつくっている紙のグループを signature と呼びます。でもほとんどふつうのひとは耳にしません、この意味では。日本でいう「折丁」です。わかりにくい日本語だったので、もういちど言い直すと、1枚の印刷紙を折りたたんだのが signature です。それを重ねて1冊の本ができます。gathering とも quire ともいう、と辞書を見ると書いてありますけれど、同義語はともかく、なんでsignature というかというと、折丁の一番上のページの欄外に番号とか記号を「しるし」として書いて製本の便宜にしたことからだと思うのです。そのABCとか123みたいな折記号のことも signature といいます。(前の記事でいうと、イギリス初版のほうの『ハックルベリー・フィンの冒険』の本文第1ページの右下に B とある、それが折記号としてのsignature です(made の下)。

  つぎに、日本だと「扉」と呼ばれる部分、つまり口絵の前の「タイトル」のページは、英語(の本)だと half title [half-title] と呼ばれます。『パティー』の原書の場合だと、イラストの最初のパティーの口絵 (frontispiece) の1枚前の leaf にこの half title がしるされています。――

Patty-half-title.jpg

  基本、タイトルだけです。それも、略したタイトルである場合やタイトルページのタイトルとは異なる場合も多いのです。それで、しばしば洋書の場合に、正式なタイトルはどれか、ということで混乱が起きることがあります。カヴァーの標題と、ハーフタイトルのページの標題と、タイトルページの標題が全部ちがうということがありますから。しかし、著者名と一緒に記されたタイトルページの標題(図書館の説明文にある「標題紙標題」)が正式なタイトルなのだということになっています(自信99パーセント)。ちなみに『ハックルベリー・フィンの冒険』の場合、イギリス版初版のハーフタイトルは "Huckleberry Finn" だけであり、アメリカ版初版のハーフタイトルは "Adventures of Huckleberry Finn" となっていました。

  ここまでをまとめますと、まず cover (front cover) があり、pastedown, flyleaf があり、half title があり、frontispiece があり、title page があり、copyright page があり、(場合によって Dedication があり、)(場合によってここに Preface があることもあり、)(場合によってここに Acknowledgment(s) があることもあり、)  table of contents があり、(場合によって list of illustrations があり、)(場合によってここに Preface や Foreword があり、)(場合によってここに Acknowledgment(s) があり) ――以上が "front matter"――本体 "the body of the book" に進みます。front matter というのはたぶん日本でいう「前付」に相当するのだと思います。

  本体についてはあんまりくわしく説明することはないです。進行でいうと、最初に Introduction があったり、本文が終わって最後に End notes や Bibliography や Glossary や Index がついていたりする、ということです。そして、見開きページで眺めると、上の図で「柱」と呼ばれる部分は、英語だとページ上部のものが header(s) 、下部のものが footer(s) で、あわせて running heads と呼ぶこともあります。だいたいは左側の header は本のタイトルを反復し、右側の header は章のタイトルを反復します。そして、 header とは別に、page number(s) がページのtop や bottom やあるいはデザインによったら side に印されます(下が多い)。

  あとは・・・・・・中之島図書館の図にある「つめかけ」というのは大きな辞典・事典類で施される、図書館図の3の「小口」(英語で fore-edge)の紙を球状(?)にえぐってページをめくりやすくしたものですけれど、英語だと thumb index です。紙で仕切ったものもあって、それは tab と呼びます。

  あとは・・・・・・

  以上、メモ終わります。

/////////////////////////////////

「「本」の部分の名称」 <http://www.library.pref.osaka.jp/nakato/osaka/book_bui.html#orikaeshi> 〔大阪府立中之島図書館〕

「本の豆知識-製本用語解説-」 <http://www.nippoh-bb.co.jp/topics/index3.html> 〔日宝綜合製本株式会社〕


nice!(1)  コメント(3)  トラックバック(0) 
共通テーマ:学問

nice! 1

コメント 3

morichanの父

kaoru さま、いつもいつもありがとうございます。
by morichanの父 (2010-02-23 20:09) 

nyobochan

すばらしい!
by nyobochan (2011-02-20 14:28) 

morichanの父

nyobochan さん、おほめのことば(?)、ありがとうございます。
by morichanの父 (2012-08-04 00:46) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この記事のトラックバックURL:
メッセージを送る

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。

×

この広告は1年以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。