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女子寮の話から火馬、火の車馬、火事馬、消防馬、消防馬車馬へ Fire Horses [Daddy-Long-Legs]

ジュディー・アボットが入った大学のモデルになっているのはレイディー・ジェイン・グレイよりもヴァッサー・カレッジだということになっていて、たぶんそうなのでしょう。どっちにしても女子だけの、原則全寮制の学校でした。ヴァッサー女子大学は、作家ジーン・ウェブスターが入学した当時は、寮が二つあって、ストロング・ハウス Strong House とレイモンド・ハウス Raymond House でした。ヴァッサー大学のWEBページ <http://residentiallife.vassar.edu/residence-halls/halls/strong.html> やWikipediaの "Strong House" <http://en.wikipedia.org/wiki/Strong_House> を見ると、ストロング・ハウスはロックフェラーの長女の Bessie Rockefeller Strong (この人は1886年から88年に、 "special student" としてヴァッサーに在籍したようです)に由来する名前で、1893年建築、当時は100人の個室だと書かれています(現在は162人)。第2代の学長の名前に由来するレイモンド・ハウス <http://residentiallife.vassar.edu/residence-halls/halls/raymond.html>は1897年建築で、現在の収容人員は200人。どちらもFrancis Allen によって設計されました(そして、その次のも、その次のも同じような景観の建物になったようです)。

   どっちがジュディーの住んだファーガスン・ホール Fergussen Hall のモデルか、という不毛かもしれない問いを発したいのではありません。あれこれ読んでみてわかるのは、19世紀末から20世紀初頭のヴァッサーが女子大学として、カリキュラム改革をあれこれ試み(これについてはいまは扱いません)、急速に発展しつつあったということ。1901年には3番目の寮、レイスロップ・ハウス Lathrop House <http://residentiallife.vassar.edu/residence-halls/halls/lathrop.html> (現在の収容人数180)が、翌1902年には4番目の寮、デイヴィソン・ハウス Davison House <http://residentiallife.vassar.edu/residence-halls/halls/davison.html> (ロックフェラーの母親の名に因む。現在の収容人数191)が建設されます。

  で、事情はいろいろあるのでしょうが、ジーン・ウェブスター在籍当時のヴァッサーは規則がたいへん厳しくて、あるいは規則正しくて、旺文社文庫の中村佐喜子の解説によれば、「休暇なども、たとえばクリスマス休暇は一二月一九日午後一二時五分から、一月五日午後一時四〇分までというふうに、時間まで定められて」いたということです (p. 230)。

  1年生9月24日の手紙、つまり最初の手紙、の最後で、ジュディーは「あと2分で10時の鐘です。一日がすべて鐘によって区切られています。食べるのも、眠るのも、勉強するのも鐘が合図です。とても活気付けられます (It's very enlivening)。ずっと消防馬 (fire horse) みたいな気分です。」と書いています。

     The ten o'clock bell is going to ring in two minutes.  Our day is divided into sections by bells.  We eat and sleep and study by bells.  It's very enlivening; I feel like a fire horse all of the time.  There it goes!  Lights out.  Good night.
     Observe with what precision I obey rules―due to my training in the John Grier Home.  (p. 14)

    「活気付く」というのは、もちろん、皮肉をこめて言っているわけです。あと、あと2分で消灯と書いて、その2分が経ち、「おやすみなさい」と書いてから、さらに段落をあらためて、「ジョン・グリアー・ホームでの訓練のおかげで規則は正確に守ります」と消灯時間のあとに書くところが、ジュディーのユーモアです。

  で、fire horse。


1896 Horse Drawn Fire Engine (0: 20), posted by "netherchild99" on June 11, 2008: "An old footage of horse drawn fire engines in 1896.
Produced by: Thomas Edison
Year: 1896
Location: Newark, New Jersey
Video Restoration by: C. E. Price
"


"One Last Call" (4: 22), posted by "oktahahorses" on October 26, 2006: "Not about one horse, but a whole group of horses. By the mid 1920's, the fire horse had pretty much disappeared across the country, having been replaced with mechanical engines that ran on gasoline. This song is a composite of several stories I ran across while studying the subject of fire horses. I believe Jim, the horse mentioned in the song, worked for the Toledo Fire Department, while the pictures are from departments from the east coast to the west."

    消防ポンプ自体は機械化されたのちも、それを火事場に運ぶ車は、3頭立て、2頭立て、あるいは5頭立ての馬車であり、1920年代に完全に自動車にとってかわられるまでは消防ポンプ fire engine を引く馬が fire horse として活躍していたのでした。horse-drawn fire-engine が消防馬車だとすると、その馬車を引く馬は消防馬車馬というのかなあ、と思いましたが、消防馬ということばもあるようです(少なくとも翻訳では)。

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"Horses in the Fire Service" <http://www.firehorses.info/firehorselinks.html> 〔Fire Horses 内。"The era of horse drawn fire apparatus extended from the Civil War through the 1920's. This site is dedicated to Preserving the History of Horses in the Fire Service"〕

"The Lost Monument to the DC Fire Horse - DCist" <http://dcist.com/2009/07/dcist_historians_the_fire_academy.php> 〔ワシントンDC の記事だけれど、ニューヨークの消防馬写真を掲載し、歴史的に語る〕

「国産玩車の曙 消防馬車編」 <http://nekozakana.blog.so-net.ne.jp/2007-02-21> 〔ねこざかなさんのブログ『生きながらミニカーに葬られ』 2007.2.21〕

"Category: Steam-powered fire engines - Wikimedia Commons" <http://commons.wikimedia.org/wiki/Category:Steam-powered_fire_engines> 〔消防用蒸気ポンプ関係の写真。馬の写真もあり〕

「大阪の街 22」 <http://homepage1.nifty.com/masaaki/osaka/osaka22.htm> 〔「イヤーンうち、今夜寝てあげるし~」の下の写真は明治44年の東消防署の消防自動車と消防馬車の合体〕

 


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