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天使と悪魔、天(国)と地(獄) Angels and Devils, Heaven (, Earth,) and Hell [Daddy-Long-Legs]

デビルダウンヘッド (1)  Devil Down-Head
デビルダウンヘッド (2) Devil Down-Head」のつづきです。

『あしながおじさん』の2年生の8月10日に農場のロックウィローからジュディーが書いた手紙の冒頭、柳の木に登った様子を書いたなかに、幹を猛スピードで上下する "devil down-heads" というのが出てきます。――

I address you from the second crotch in the willow tree by the pool in the pasture.  There's a frog croaking underneath, a locust singing overhead and two little "devil down-heads" darting up and down the trunk

  "devil down-heads" は、nuthatch の仲間のなかの、胸が白い white-breasted nuthatch と胸の赤い red-breasted nuthatch をいう、アメリカ方言で、どうやらロッキー山脈界隈の呼称であるらしいことがわかりました。今回は、思いつきを書いてみます。

  構図的には、地上ではカエルが鳴き、 頭上ではセミが鳴いている、そして上下運動をしている "devil down-heads" がいる、という絵です。英和辞典にもふつうの英語辞典にもいまだに載っていない方言を採用したのはなぜか、と考えてみると、名前がおもしろかったから、と想像されます。すなわち、悪魔がまっさかさまに下へ落ちていくという。

  次の段落で、 "The country is Heaven after a week of rain." (一週間雨の降った田舎は天国です) と言うジュディーは、さらにそのあと続けて、"Speaking of Heaven――do you remember Mr. Kellogg that I told you about last summer?―the minister of the little white church at the Corners." (天国と言えば――去年の夏に話したケロッグ氏のことを覚えていますか?――コーナーズの小さな白い教会の牧師さんです」と書き、ケロッグさんが亡くなったこと、でもケロッグさんが生前信じていたように、ハープと金の冠(harp and golden crown)を享受していることでしょう、と語ります。

  ここからは、天使論とか天国論とかいうよくわからない問題に入り込むので、いまのところ論証ははなはだ脆弱で、推論にとどめるしかないのですけれど――

  第一に旧約聖書の「詩篇」を起点としてダヴィデとハープと金の冠の結びつきの、たとえば絵画における図像学的な伝統があり、その「詩篇」は、人間と天使の近さを語るところがあります("4What is man, that thou art mindful of him? and the son of man, that thou visitest him?  5For thou hast made him [man] a little lower than the angels, and hast crowned him with glory and honour." (Psalms 8.4-5))。
KingDavidPlaystheHarp.jpg
The King David Plays the Harp

  第二に、天使論の流れのなかで、いわゆる(天上の)奏楽の天使群のなかにハープを奏でる天使というのが出てきます。
AngelwithHarp1.jpg
Angel with Harp

AngelwithHarp2.jpg

    第三に、(このへんがよくわからないところですが)、天使論の流れの中で、天使が変身して地上に人間として現われるとか(これのはっきりしている例はモルモン教のジョーゼフ・スミスの教理です)、逆に、人間が死後に天国で天使的な存在として形象化されるということが起こったように見えます。天使は無性(sexless) のはずだったのですが、人間的なジェンダーが付与されることになったりして。
AngelHarp.jpg
Angel with Harp (child)

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Angel with Harp (man)

AngelwithHarp(woman).jpg
Angel with Harp (woman)

  第四に、上の三つの画像でもそうなのですけれど、金の冠というのは、不死性ないし霊性の象徴であり、いわゆる halo (仏教的にいうと「後光」「後背」ですが、「頭光」、いまふうにいうと「オーラ」の一種、ですか)、と等価的なものとして図像化されるのだと考えられます。
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Crown of Immortality

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     で、第五に、よくわからんのですけれど、たとえば、ジーン・ウェブスターのオオオジサンの Mark Twain の何度も何度も書き直されたらしい、トウェイン版死後の生の物語、"Extract from Captain Stormfield's Visit to Heaven" に次のような一節があったりするわけです。――

"A harp and a hymn-book, pair of wings and a halo, size 13, for Cap'n Eli Stormfield, of San Francisco! [. . .]" (ハープと讃美歌集、一対の羽とサイズ13号のハーローをサンフランシスコから来たキャプテン・イーライ・ストームフィールドに)

これは語り手のストームフィールドが、かつて地上でその葬儀に出席したTulare 郡のインディアンの Pi Ute が発した声でした。二人は再会を喜び、ストームフィールドは ハーローほかの"kit" を身に付けます。 

  というようなあいまいな論拠の上に、言いたいのは、この手紙の中で、冒頭の柳の木の記述を起点にして、死後の世界や天国やらについての思索が展開されていること。そして、その際に、devil down heads の上下運動が、イメジの振幅を前もって、いわばピューリタン的に言えば、予兆論・予表論的にあらわしていること、そして、ジュディー自身のふるまいとして、地上を少し離れた木のまたに座って、この世の上(天国)や下(地獄)に思いをいたしているだろうということです。

  実のところ、ケロッグ牧師の前年の説教は、ピューリタン的に、地獄をことさら強調するものでした。

  が、これについてはマタずれ、いやマタいずれ。

   と、あらぬ方向へ分裂してつづくかも。

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カリフォルニア時間の天使――<http://occultamerica.blog.so-net.ne.jp/search/?keyword=%E5%A4%A9%E4%BD%BF>

 

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つづきは「天(国)地(獄)人(間) (1) Heaven, Hell, and Man [Daddy-Long-Legs]」です。

そして、4年半後の2014年2月28日、「天使とヘルメス Angels and Hermes[魂と霊 Soul and Spirit]を書きました(といっても引用の織物の一部ですけど)。

 


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